『届かなかった手紙』1･14マチネ

あと10日ほどで解体されてしまうと言う
ベニサンピット　での公演

『届かなかった手紙』
-ADDRESS UNKNOWN-　　　

出演　　
マックス･アイゼンシュタイン 　今拓哉
マルティン･シュルセ　　　　　　 高野力哉
グリゼレ　　　　　　　　　　　　 麻乃佳世　　
作曲・演奏 　宮崎 誠（エレクトーン）
　　　　　　　　　　　　　　　　　　（敬称略）

画廊を共に経営するユダヤ人マックス　と
ドイツ人マルティン
二人の生涯変わることが無いと
思われるほどの友情
マックスの妹　グリゼレの淡い
マルティンへの恋

1932年
マルティンが、故国ドイツに帰った後も
手紙による交流が続く･･････
時はヒットラーが、ドイツに台頭する
1933年から二人の手紙の内容に変化が現れる

徐々にユダヤ人に対する弾圧が厳しくなる中
マルティンも国を愛するゆえに変わってゆく

女優として活躍を続けるグリゼレにも
その弾圧は迫る
妹宛ての手紙がADDRESS･UNKNOWNで
返されたマックスは、
マルティンに書くな！と言われた
手紙を書く　
妹を託す･･･助けてくれと。　


舞台にあるのは　二つの机
二人は手紙を書き　手紙を読み
お互いの声が、お互いの思いを
ただ、読み上げてゆくのみ

書簡が紡ぐ物語に　エレクトーンの
美しいメロディが重なる

時代の流れの中で、
変わってしまう心と心　
ユダヤ人との交流を絶とうとするマルティン
妹の死によって　何かがキレるマックス

かすかな笑みさえ浮かべ、
意味のない手紙を
書き続けるマックス･アイゼンシュタイン
手紙は送り続けられ　マルティンは、
国での地位が危うくなる
絶望の表情で、手紙を握りつぶし
机に伏せる　マルティン･シュルセ

そして････ADDRESS･UNKNOWN
転居先不明で戻された手紙

マルティンは、何処へ行ったのか？
観るものに　問いかける

答えはひとつではないかも知れない････

今さんのマックス
高野さんのマルティン
どちらも見応え･聞き応えあり
麻乃グリゼラは、
ちょっと勿体無い気もします。
もっと絡んでもいいかも。

12日の『イノック･アーデン』に続き
今日の『届かなかった手紙』と
朗読風の舞台が続きました。
イノックは2人・今回は４人と少数で
作り上げる舞台は、
濃密だけれど、一人にかかる重さが
大きい････と思う

2009年1月12日～14日
　今日のソワレで千穐楽です

小さな会場で期間も短いので
知られていないのでは？

機会があれば再演を･･･と
思う舞台でした。