現在の閲覧者数: 『兄おとうと』8・22マチネ - hatti元気の素 観劇 ミュージカル

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『兄おとうと』8・22マチネ

こまつ座さん @紀伊国屋サザンシアター

~吉野作造を知っていますか?~
パンフとなっている The座 の表紙には
こう書いてありました。

いえ まったく存じませんでした。(爆)
でもお芝居ではあるけれど
この舞台でかなり理解できたのでは
無いかと思います。

出演
吉野作造・・・・・・・・辻萬長
   玉乃・・・・・・・剣幸
吉野信次・・・・・・・大鷹明良
君代・・・・・・・・・・高橋紀恵

青木存義・・・・・・小嶋尚樹
大川勝江・・・・・・宮本裕子

 ピアニスト・・・・朴勝哲
        (敬称略)

小嶋×宮本の御二人は
この役の他にも
貧しさのあまりの窃盗犯と
人情味あふれる警官
説教強盗のかかあ天下の夫婦
生き別れの兄妹など
中国から作造を慕って
来る袁美琴など5役を受け持ちます。
 

作造と真次は
13人兄弟の中の
10歳違いの兄とおとうと

どちらも成績優秀でしたが
兄と比べられ屈託をもつおとうと。

長じて兄は大学教授
おとうとは政府高官・お役人となり
珍しい機会に旅館でともに寝むことに。
人生でともに寝んだのは回数を
数える程と説明あり(笑)
作造の妻 玉乃とその妹君代
君代に思いを寄せる真次、

金銭的な援助を頼みに
君代に一目ぼれの青木も
同じ宿に来ている。
こんな始まりの舞台は
辻さんと大鷹さんの兄おとうとです。
幕が上がった直後は
作造 31歳 真次21歳ですから~(笑)
兄弟と言われても無理があるかと思って
いましたが お芝居を見ているうち
これは有り!になりました。(笑)

作造の妻役 玉乃に剣さん
温かみがあり 肝っ玉の据わった、
それでいて懐のひろ~~~い
奥方にピッタリでした。

真次の妻となった 
玉乃の妹 君代
ちゃっかりとした明るい
可愛い奥方。

作造と違う思想と
政治家となった真次の
緩衝材と言うか・・(笑)
苦労があっても苦労と
思わせない明るさがいい。

大鷹さん演じる真次
堅物で兄の言葉は理想論、
世の流れから逸脱していると
ヒヤヒヤ 
お互いに気になって仕方ないのに
すれ違い
そんな兄弟の 23年間を舞台に
乗せます。

民主主義 貧しい人々の願い
暮らしやすい世の中にするためには
どうしたらいいか。
私財を投げ打ち 人助けに奔走する
作造 苦労の影を見せず
ついて行く玉乃

政府高官となり立場上からも
相反する弟の真次。

社会通念が揺らぐ時代の
作造兄弟の生き方を描いた作品は
 やはり 井上さんのものでした。

毎日の生活を平和に暮らせる事


♪三度のごはん きちんと食べて
火の用心 元気で生きよう 
 きっとね

物語の運びに力があり
言葉選びが光る
時に笑わせながら
5役を演じる二人に
市井に暮らす人々の
思いを集約し代弁させる。


そして温かい言葉で幕が下りる
『兄おとうと』
パンフの対談によると玉乃も
君代も5年前の公演とは
ちょっと役作りが変わっているのかも
しれないとお話しされていて
前回公演 見損なってしまったのが
悔やまれます。

     良い舞台でした。


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