@新国立劇場 小劇場
いろいろ舞台セットの自由な
この劇場 今までも
センターステージ形式になったり
かなり前方に飛び出したセットなど
変化する劇場だと思ったのですが・・
今回はさらに斜め上行く舞台セットだった
・・だと思う。
客席に行くために
舞台を通らないと行けないって。
休憩時のお客様の誘導は
左右扉からとの案内なら・・
入退場も最初からそこだけ
案内すればいいのに?
あれは舞台を間近に見せるための
サービスだったのか?
休憩時のお客様の誘導は
左右扉からとお願いしますとの
ご案内でしたが・・(笑)
コンテナのような枠だけの
キャスター付きで
移動自由な枠だけの箱が
幾つもあり 舞台上・・と言って
いいのか 段差のない平らな
舞台空間に点在している。
並列に形を変えたり
これはもちろん人力移動で
刑務所の房や アパートの部屋。
電気店 飲み屋の店先などに
瞬時に変化を遂げて行く。
移動するのが俳優さん本人だったり。
金持ち老婦人の家だけは
大きなソファーが置かれたり
ちょっと趣を変えますが
このソファーもキャスター付きで
楽々移動が出来るように考えられています。
出演
武島剛志(兄)役・・・・・・・・吉原光夫
武島直貴(弟)役・・・・・・・・三浦涼介
寺尾裕輔他・・・・・・・・・・・廣瀬大介
アツシ他・・・・・・・・・・・・・和田雅成
平野他・・・・・・・・・・・・・・川口竜也
隆文他・・・・・・・・・・・・・・上野哲也
コータ他・・・・・・・・・・・・・・岡本悠紀
緒方敏江他・・・・・・・・・・・五十嵐可絵
検事他・・・・・・・・・・・・・・・和田清香
由実子他・・・・・・・・・・・・・北川理恵
朝美他・・・・・・・・・・・・・・・礒部花凜
(敬称略)
この舞台の核となる殺人事件を
大きくデフォメされた新聞記事、
兄・武島剛志の起こした事件を
伝える号外のようなものが
使われます。
弟のため 金だけ奪えば
目的は果たした筈だった
剛志は、家人に見つかり
騒がれて殺人。
逮捕された剛志。
それまで保護者だった兄が
拘束され
直貴に対する周囲の人々の態度は
”殺人者の弟”と態度が豹変し
直貴との関わりを恐れ
ここから弟・直貴の人生は狂い始める。
大学進学どころか
学校や住居まで
居場所が無くなって行く
刑務所に収監された兄
弟は必死に生きる術を探し
働き始めるが・・そこにも
殺人者の弟という名は
付いてまわる。
でも、それを気にしない由美子
彼女の生き方もまた
孤独で親の起こした事件での
理不尽な出来事を跳ね返し
希望を持って生きている。
兄と交わされる書簡の数が
増えて行く。
手紙を書き続ける兄
由美子の励ましの中
自分の生きる道を探す直貴
けれど しばらくすると
また ”殺人者の弟”であるための
理不尽な扱いが、襲って来る。
どう生きればいいのか?
どう生きても”殺人者の弟”から
逃れる術はないのか?
由美子と結婚して
子どもも生まれ・・・
時は流れ
変わらない友情を信じさせて
くれる裕輔もいる。
直貴は自分たちの幸せを
守るために 兄と交わしていた
手紙を絶つ決心をする。
ストーリーがしっかりと伝わって来る
この舞台は・・兄弟二人だけてなく
由美子や裕輔の
変わらない絆のようなもの、
反対に 検事や学校の教師
アパートの家主などの世間の
対応を集約して表現し
見せるシーンも個性的な舞台の
見せ方だと思った。
登場人物の個性もわかり易く
答えの出せない問いかけを
されているようだ。
暗く 重いテーマが
コンテナのような箱の中に
これでもか!
そんな声が聞こえて来るように
詰め込まれているように思える。
そして多分 導き出そうとする
答えも どれが正解!は無くて
人が生きて行く中で自らが
掴まなければならないもの。
そんな思いにさせてくれる
直貴の勤める会社の
川口さん演じる 社長平野の
諭すような言葉が
この作品の根幹なのかも?
作品が歌声の響く
ミュージカルになりました。
一幕でも少し ヤバイかもと思った
シーンがあったのですが
なんとか持ちこたえた。
しかし 二幕になってラスト近く
兄弟の思いがどちらもわかると
思ったら・・もう涙が止まらなくなって
しまいました。
ラストシーンでは
兄と縁を切ったと言う弟が
・・・変わらない友情を繋ぐ裕輔と共に
刑務所に慰問に来る。
事件前に兄からプレゼントされた
ギターで持って・・。
兄弟の出会いは
2F位置に作られている
回廊のような部分で歌う直貴と
下で正面を見据え
眩しそうに直貴を見上げる様子の兄
剛志もセンターでひざまずく
シンクロしたような構図で
二人とも立ち尽くす
差別・偏見 家族の絆
噂の暴力
被害者・加害者の関係性
テーマは大きく難しい。
二人の心情がダイレクトに伝わり
涙があふれてくるのを抑えられません。
剛志が持っていた
帽子を落とすシーンが
印象に残ったのですが
カテコで 素で帽子を落とした
吉原さん
それを見て笑顔を向ける三浦さん
同じ帽子を落としたのに
このギャップ何 !? (笑)
出演者の皆様に惜しみない拍手を!
この作品 DVDになると
本日はカメラ収録の日だったようです。。
予約受付していたので思わず購入。
到着を楽しみ待つことにします。
追記
そうそう 指揮者の西野さんが
本日この作品をご観劇されると
ツイッターで呟いていらっしゃいました。
ちょっと劇場ではキョロキョロして
しまったのですが・・・
残念ながら お見かけする事は
出来ませんでした。
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最終更新日 : 2016-01-30